終わりのはじまり

知恵

それは幸運か、神々の介入があったのか、あるいは揺るがぬ意志のたまものか。あなたはアーレニアをなんとか救い出すことに成功した。だがそのために力を尽くしたのはあなただけではない。Melvorに残った生ける魂たちは、あなたのいない間ベインの魔物と必死に戦った。

あなたとアーレニアは足を引きずるようにして首都へ戻る。焼け焦げた大地、見る影もなく破壊された町や村々。その中を縫って歩いていくうちに、何ヶ月もの日々がまたたく間に過ぎ去っていった。二人の後には行き場を失った人々が黙々と続く。それはまるで希望という名の誘蛾灯に誘われるかのように、最後の砦である首都を目指し、二人の後をついてきていた。霧に飲まれた他の都市には生き残った者たちが集まり、明日の命を祈っている… そんな話を口にしながら。

やがて首都の門をくぐると、群衆のススだらけの顔に安堵の色が浮かんだ。だがその首都でさえ、以前出立した時と比べて明らかに人が減っている。それでもそこには生きた人の営みと強固な城壁があり、あなたについてきた傷ついた兵や農民たちは、それらに感謝しながら方々へと散っていった。

首都の長は、その両肩にかかっていた重荷がわずかに軽くなったことに喜び、両手を広げて二人を迎え入れる。宮殿内部は指揮所と炊き出し所が一緒になったような様子だった。腹を空かせた子どもたちが配給の列に並ぶ一方で、兵士たちが暗い顔で空を見上げたり、忙しなく走り回ったりしていた。

それから数日間、あなたは休息を取った。時折、アーレニアが連れてくる者たちの話を聞く。どれもベインや闇の存在に関する似たような内容だった。いわく、どこからともなく現れ、警告することなく、火の雨を降らせたり息の詰まる黒い霧を振り撒いたりするのだと。

あなたは彼らの話を振り返る。ベインが最初に目撃されたのは、四神がそれぞれのダンジョンの奥深くにこもっていた時だという。ベインの発した黒い霧が東の土地を覆い尽くし、倒れた者たちはアンデッドとなり再び立ち上がった。そして土地を踏み荒らしながら東の首都に押し寄せてきた。

屈強な戦士たちや優れた魔術士たちが敢然と立ち向かい、刀折れ矢尽きようとも気力だけは失わず、昼夜を徹して戦い続けた。やがて流れは彼らに傾き、アンデッドの群れを駆逐するかに見えたその時… 空からベインが現れた。ベインは火の雨を降らせ、残った戦士たちのみならず城壁すらも一瞬にして打ち砕いてしまった。

壊滅した守備隊はアンデッドに襲われ、彼らもまたアンデッドとなって増え続ける群れに加わった。街からは火の手が上がり、住民たちが逃げ惑う中、あっという間に辺りを焼き尽くした。逃げ延びた者はごくわずか。また、たとえ悲惨な虐殺から逃れられたとしても、その恐怖が精神を蝕む。厚い壁に囲まれていない場所は、あなたが首都へ戻る際に通過した集落のように、もはや完全に滅ぼされていた。

一日かけてこれらの情報をまとめて部屋を出ると、宮殿に入ってから初めて、アーレニアがあなたに近づいてきた。

「ベインはいずれやって来るでしょう。彼は手下たちと手当たり次第にいくつもの都市を攻撃して、勢力を強めています。」

あなたはうなずく。はっきりとした根拠はないが、遠からず敵がこの地に来ることは間違いないだろうと感じていた。

アーレニアは、他の全てを引き換えに驚くべき力を手に入れた英雄と呼ばれていた。情熱があり、裏表がなく、天性のリーダー気質。だが今、その彼女は疲れ果て弱った顔で立ちつくしている。かつての自信は失われ、この状況を受け入れていた。そして壁に倒れ込み、ゆっくりと床に崩れ落ちる。

「聞いたことがあるかわかりませんが、私は一度、彼を追いつめるところまでいきました。」

あなたは口を開き、しばらくぶりに声を出す。「その時に、霧で気を失ったのですか?」

アーレニアはあなたの声を聞けるとは思っていなかったのか、少し驚いているようだ。「ええ。彼は… ベインは… 叫んでいました。ヘラルドという名前を。許しを請うていました。ヘラルドは… 少なくともそう呼ばれた男は…私に力を与えたのと同じ男でした。」

「その… ヘラルドは、双方に力を貸しているのですか?でも… なんのために?」

アーレニアはため息をつき、ただ悲しそうに首を振り、再び顔をあげる。「わかりません… ですが、私たちに必要なのはどんな事態にも対処できるよう備えておくことです。ベインだけでは終わらないかもしれません…」

「残された時間は?」

アーレニアは肩をすくめて、微笑む。「わからない。一日かもしれないし、一年かもしれない。何が起ころうと、あなたが霧の中から私を引っ張り出してくれたのなら… それは私たちにはチャンスがあるということ。今は休んでください。」彼女はあなたの肩を強く叩いて、自分の部屋に戻っていく。

準備をしなければ。来たる戦いに備えなければならない。

条件

  • 霧隠れを1回クリアする